満足する夫

うちの車は夫が選んだ軽自動車。
この20余年間で3代目。先代もその前も車種が違うがやはり軽自動車で
毎回夫は考えに考えて絶対一番というお気に入りを決めて買って
毎回「これこそが一番素晴らしい車」と満足している。

今乗っている車は買ってからもう何年もたっているが
何かの統計で、その車種の売り上げがトップと知って
何かに勝利したかのように大喜びしている。


その晩、娘にニーチェの本は何から読み始めるとよいのかと聞かれ
夫は自分が若い頃に熱愛読していた本を推す。
しかし検索したところそれはすでに絶版になっていることが判明。
夫が持っているその本は300円の定価だったがネットの古本で1000円の値がついていた。
夫はまたここでも勝利の大喜び。「ずげー、定価の3倍以上になってる」と。

「あなたは自分の気に入った車が売り上げ好調だと大満足で
 自分のお気に入りの本が絶版でも大満足で
 いろいろ大喜びの材料が多い<当たりの人>だね。」と私が言うと
「そうなんです。俺はアタリなんです。
 そこに気づいてくれる人があまりいないんです」と胸を張る夫。

ラッキーおじさん、今日も元気。