塾とナイフ

息子は中学3年のときに入った塾に、高校生になった今も通っている。
「中学生と高校生は毎年、勉強道具一切持ち込み禁止の8泊キャンプをする」
「自分たちで脚本を作って毎年、英語劇をする」
「高校生は30分間スピーチをする」
「中学生は自分の主張を作文に書き、それを先生と高校生達が毎年徹夜で激論審査をして塾内コンクールをする」
 自身も子どもの頃からこの塾に通い、有名大学を卒業後に就職した大手進学塾を辞して、数年前からこの塾の2代目塾長になった若い謎のイケメン青年が主宰。
そして毎年恒例のクリスマス会。
高校生達が先生とちらし寿司を作り、お母さんたちも食べ物を持ち寄って屋台のように子どもたちが食べたいものを選び、先生は母たちにワゴンで飲み物を注いで回り、ゆるゆるとした時間をすごしてビンゴ大会などする。

私が持ち寄ったのは、スモークサーモンと水菜の手まり寿司的なもの。
しかし、それとあわせて持参した「ししゃもを焼いたもの」のほうが
一瞬で売り切れになるほどの意外な人気でした。
これからはクリスマスパーティーには堂々とシシャモだな。

この塾に通って5年目の子にはクリスマス会で
先生から記念品が渡される。
今年は該当の中学生がもらったのはツールナイフだった。
イケメン青年先生は「自分が以前にヨーロッパ放浪旅をしていたときに
非常に実際に役に立ったツールナイフと同じ型のもの。
簡単な調理もできるし、ワインのコルクも抜ける」と解説。
いろいろ管理がやかましい世の中。中学生に自らナイフをプレゼントしてしまう先生。ワインのコルク抜き付きで。
そんな先生も、それをゆるゆると眺めている母たちも、自然にうだうだじゃれている子どもたちも、ここは良い場所だなあ。