娘の成人式

私は自分が20歳のときの成人式は、旅行に行ったので不参加だった。
夫も20歳のときは成人式には出なかったそうだ。
娘も美大の友達とは特に成人式の話題もないということで、
あまり参加する意欲は持っていなかった。
ここ1年間くらいの着物屋からのダイレクトメールは人ごとのようだった。


しかし1月7日の夜、娘は地元の中学校時代の友達に
「成人式は出るの?私はどうしようかな。行くなら普通に普段着で行く。」
と、のほほんと電話したところ
質実剛健で「振袖成人式なんか変な悪習」と一蹴するとばかり思っていたその子から
「振袖を着ていく準備は万端。他に仲がよかった女の子たちもみんな振袖で行く」と聞かされ動揺。世の中いつの間にそうなっているのか。
そんなに迷うんだったらこれから振袖を借りるかい、ということになった。
まあ、本人が嫌でなければ親はそれも良し。

成人式は10日(月)。その2日前になってから娘はレンタル着物やに初めて電話。
地元にいくつかあるレンタル振袖の店舗は
この時期に残っていた着物はすでに本部に集められ
1年後の成人式のための振袖商戦の準備に入っているので、今さら無理だそうだ。
しかし「チェーン展開している店ではなく、地元の独立店なら可能かも」と
親切な某店のお姉さんに娘は教わり、
なんとかレンタルできることになった。


娘と一緒にその地元の貸し着物屋に行ってみた。
経営者の関係者らしいお婆さんが
「おっほっほ。ウチにはねえ、そうやって成人式前日とかに急に来るお客さんが
毎年必ず何人かいるんですよ。大丈夫。」と余裕の対応。

振袖も小物も写真撮影も着付けも美容院もセットとのこと。
予想していたよりは高くない。

「このダンボールの中にまだ振袖も帯もいろいろ入っているから。
私は手が痛いから、自分で開けてみて。」とゆるゆると決まる。

普通は半年以上前からあれやこれやとするところを
なんかこんなにあっさり進んでしまった。

成人式当日は友達にも会えて無事に振袖で楽しくすごせたようだ。
そんな変な風習はどうでもいいやと思っていたけれど
なんか親が縁起物にお金出す感じが嫌でなければ
これも面白いもんだね。