牛は皮までなら可か。

私は新婚の頃は、家での食肉はわりと羊肉のことが多かった。
近所の店で普通に売っていたせいもあるが、当時は夫は
若いときの乳牛牧場でのアルバイトで花開いた「牛への友愛」の心があった。
「牛肉を食べるくらいなら、まず人肉を喰ってからではないと認めない」とか
アンチ牛肉食ラディカル派としての主張を日常的にしていた。羊は愛していなかった。
しかしある日のこと、
紳士靴を買いに行った店で夫は私にこう言った
「でも、本革のほうが良いなあ。」
牛を殺して食肉を得ることが許せないわりには、
皮を剥ぐために牛を屠殺するのは容認かい、と即座に私がつっこんだのは当然。